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平八郎さんのおはなし/【お腹を壊した話】
[寄稿]
 暑くても寒くても、陸上では徒歩の移動だった中国。途中飲料用の水がなくなって、仕方がないからそのへんの水を飲んだら当たってしまった祖父。
テキメンにお腹を下して、軍医から「死にたくなかったら落ち着くまで水を飲むな!」ときつく言われて、その通りに水を飲まなかったら、なんとか回復した、という話。

 咲間さんにこの話を伺うと覚えている話らしく、軍医にそれはえらく怒られていたと笑いながら付け足しを教えてくれました。実は、飲んだのは死体の浮いているようなクリーク(堀)や小川の水だったようです。「えっ?!」という気もしますが、ゼロ戦の搭乗員で有名な岩本徹三さんの本や他のかたの中国での話でも「クリークに死体が浮いている」という描写をわりと見かけて、戦中ということもあって当時はよく見る光景だったのかも知れません。また、太平洋戦争に突入する二年前の昭和14年頃でも、中国内陸部では飲料用・炊事用の綺麗な水がなかなか手に入らなかったらしく、祖父と同様に、そういう水でご飯を炊いたりとかいう話を見かけることもあります。
 ちなみにこの話には後日談(?)がありまして。天野が一人暮らしを始めて暫くした頃、最初に嘔吐、そのあと暫くお腹を下す、という症状が出たことあって。祖父のこの話を思い出してやり過ごした、ということに繋がります(苦笑)。

(令和元年 5月25日 天野 記)


[寄稿]

Edited by じゅんか 2019-05-27 09:45:58
Last Modified 2019-11-21 08:00:17

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